観測の概要

観測システムの概要

観測機器は、渦相関法によるフラックス測定系と、微気象平均値系とに分けて管理されています。

二酸化炭素をはじめとするフラックスの測定では、風速と共に温度、湿度、CO2濃度を測定する必要があるため、応答の早い測器を使用します。毎秒5回から10回程度のサンプリング速度で、12~16の微気象要素を測定・記録しており、データ量は2週間で300MB程度になります。日射量などの微気象平均値系は15秒~30秒に1回測定し、それを5分~10分毎に平均・積算処理し、記録します。測器は、比較的メンテナンスの容易な種類で構成されていますが、1週間~3週間に1度、放射計ドームの清掃、通風乾湿計の水の補給やガーゼの清掃、二酸化炭素濃度変動計の校正などを行っています。

測器の取り付け高度や個別の観測項目など、詳細な情報は試験地毎に異なります。(主な観測項目 観測サイト のページに詳述)

渦相関法とは(二酸化炭素を例に)

森林群落上の二酸化炭素は、群落の上の大気に存在する様々な大きさの渦によって鉛直方向に輸送されます。微気象学的手法では、この渦の動きと二酸化炭素濃度の変化を測定して二酸化炭素の吸収・放出速度(フラックス)を測定します。微気象学的手法には、傾度法や渦相関法などの方法がありますが、近年は測器や計算処理能力の向上により、渦相関法と呼ばれる方法が主流となっています。

渦相関法を使った二酸化炭素フラックス測定は、応答速度の速い三次元超音波風速計と赤外線式の二酸化炭素ガスアナライザーを用いて森林群落上で行われます。渦相関法では5~10Hz(1秒間に5~10回)サンプリングを行い、その変動成分(平均値からの差)からフラックスを計算します。下向きの鉛直風で二酸化炭素濃度が増加した場合、二酸化炭素濃度の高い空気が下向きに輸送されたことになります。言い換えれば森林群落によって二酸化炭素が吸収された現象を捉えたことになります。このようなデータを蓄積することによって、概ね30分間隔で森林の二酸化炭素吸収・放出速度(フラックス)を求めることができます。